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「口づけのなかで死ぬ」──フェミサイドの原型?──


  • Éditeur(s)
  • Date
    • 2023-03-07T01:00:00Z
  • Notes
    •  女性をその性別ゆえに殺害することから名付けられたフェミサイドという言葉は、われわれの社会では日に日に許容されなくなっている社会的行為を示す、近年作られた言葉である。とくに19世紀においてフェミサイドは、愛する人と結ばれないことや嫉妬による恋の情熱に駆られて犯す殺人である「激情」犯罪という、幅の広い、しかも混沌としたもののなかにまぜられていた。 しかしながら恋の情熱には、西洋、とくにフランスにおいては、死へとたどりつくもうひとつ別の道がある。情熱をたかぶらせた恋人たちによる心中である。共に生きるよりも、共に死のうとするのだ。出口のない愛を解決するこの方法は、こんにちではきわめてまれなものとなり、自殺の1パーセントにも満たない。このことは、心中という伝統が18世紀にまでさかのぼる日本においても同じである。死ぬほどの愛によるこの習わしは、人形浄瑠璃によって伝えられ、近松門左衛門の『曽根崎心中』(1703)と『心中天網島』(1721)によって広められた。20世紀になっても、これらの作品は篠田正浩、増村保造、そして栗崎碧によって、3度映画に翻案された。心中という行為は非常に象徴的なもの...
  • Langues
    • Japonais
  • Droits
    • info:eu-repo/semantics/openAccess .
    • https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/
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